「ゲンさんの電源ケーブル」完成いたしました。
電源ケーブルは3年以上前に段階的線径構成から制作を始めました。
今思うと何とも大雑把で繊細さの無い段階的線径構成でした。
スピーカーケーブルと違い1m以内で制作していたことも関係があると思いますが、標準的な線径0.26mm×37本=1,963m㎡の撚線ケーブルでも本数が増えることによる鮮明さの減衰はスピーカーケーブルと比較して少なく感じられました。
そこで撚線ケーブルの制作を始めました。
撚線ケーブルは素線径が細くなるほど低音域を保つためには多くの本数が必要となりますが、線径0.23mm・0.2mmと素線径が細くなるほど空間表現が良くなっていきました。
線径0.20mm×68本=2.135m㎡まで制作しましたが、1.0m 1,000円程度の切売りケーブルですが、C1011の線径0.18mm×84本=2.136m㎡がさらに解像度も空間表現もよく、さすがにハンドメイドではこれ以上の本数を撚り合わせるのは無理だと、C1011を使用していました。
素線径の細い撚線であるためクセが無く解像度も空間表現も良いケーブルだと思います。
1か月ほど前にC1011をご試聴された複数のお客様より、
「癖もなく自然でリファレンスケーブルと言えるが、それほど良くもない」
「ゲンさんのケーブルはどれも素晴らしいが、電源ケーブルだけは納得いかない」
というお声を頂き、改めて電源ケーブルの制作に取り掛かりました。
電源ケーブルの線径範囲を確認するため、素線径0.16mmで本数の適当なスピーカーケーブルで電源ケーブルを制作し試聴しました。
驚いたことに線径0.18mmよりさらに格段に空間表現が良くなりました。
次に素線径0.12mmのスピーカーケーブルで制作し試聴しました。
空間表現は悪くないですが線径0.16との比較でさらに良くなるというわけでもなく、逆に音の実在感が薄れてしまいました。
実在感は0.12mmより0.16mm、0.16mmより0.18mmと素線径が太くなる方が良くなります。
そこで、段階的線径構成(導体本数は16本)の電源ケーブルを制作しました。
C1011と比較すると鮮明さは段違いでした。
空間表現の高音域から粘りのある低音域まで全ての帯域が鮮明です。
本数が増えることによる鮮明さの減衰は少ないと思っていましたが、空間表現を求め素線径を細くすることが優先され確認を忘れていたようです。
段階的線径構成と撚線を組み合わせることで少ない本数で全帯域鮮明なケーブルを制作しました。
これに1本加えると低音域が緩く感じ、さらに1本加えると低音域はダブつきます。
そして1本減らすと低音域は弱くなります。
この電源ケーブルはシステム内に複数本ご使用いただいても低音域がダブつくことが無いばかりか、複数本ご使用いただくほど空間表現も鮮明さも上がり、部屋の空気が澄みわたるような爽やかささえ感じられます。
空間表現が良くなるということが、これほど音の見通しと静寂感を向上させ部屋の空気までも清浄にしてしまうことに驚きを感じます。
ワイドレンジで全帯域鮮明な間違いなく「ゲンさんの電源ケーブル」と言えると思います。
ただそこまで感じて頂くためには、スピーカーケーブルもRCA・XLRなどラインケーブルもその違いを再生できる「ゲンさんのケーブル」をご使用頂いている必要があります。
試作段階よりご試聴を頂きましたお客様に、心より感謝致します。
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