撚線断面積比較表
断面積比較表とは
導体断面積が同程度の場合は素線径が太い方が低音域は多く再生されます。
例えば、線径0.2mm×66本=2.072㎟のケーブルと線径0.23mm×50本=2.076㎟のケーブルを比較した場合、線径0.23mmの方が線径が太くなりますので、線径0.2mmよりも低音域は多く再生されます。
そのため線径0.2mm×66本=2.072㎟より線径が太い0.23mmが、0.2mmより断面積が小さくなるように、0.23mm×49本=2.03㎟を縦列に並べ、さらに太い線径0.26mmは0.23mm×49本=2.03㎟より断面積が小さくなるよう0.26mm×38本=2.01㎟を同じ縦列に並べました。
素線径の太い方がたった1本差で断面積が細くなるように表を作り、制作したり購入したケーブルを表に当てはめてみたら標準帯と思われるラインが見えてきました。
昔からある電源ケーブルも赤黒スピーカーケーブルも共に線径0.26mm×37本=1,963m㎡ですので、スピーカーケーブルも線径と再生周波数帯域の関係は近いことがうかがえます。
スピーカーケーブルとして線径0.26mm×37本=1,963m㎡は、30cmウーファーでも十分な低音域が再生されます。
そして37本から数本、本数が多くなると低音域再生にダブつきが発生します。
電源ケーブルは導体の本数が増えることによる鮮明さの減衰がスピーカーケーブルより少なく感じたため、細い素線径による「より緻密」な全帯域再生の方が良いと思い撚線の電源ケーブルの制作を始めました。
私が使用していた電源ケーブルの素線径0.2mmは、標準となる素線径0.26mmより解像度も高く本数も68本程度で低音域もしっかり再生されますので電源ケーブルの素線径としては最適と思っていました。
これで電源ケーブルは完成と思っていましたが線径0.18mm×84本のC1011との比較試聴したところ、C1011の方がさらに空間表現が良かったのです。
断面積比較表は、私が制作したケーブルや購入したケーブルの(素線径×本数=断面積)再生音の傾向を表にしたものです。
電源ケーブルでは、さらに太くてこの断面積比較表の範囲に入らないメーカー製品が多くみられました。
ブラウザがIEとFirefoxの方は、断面積比較表をクリック もう一度 クリックで
Google Chromeの方は、右クリックの「新しいタブで画像を開く」で見やすくなります。
RCA・フォノ・シェルリード線はテ〇ニカのカートリッジに付属していた、0.12mm×14本=0.158m㎡がまさに基準と言えると思います。
線径が0.12mmより太くなると空間表現は悪くなります。
線径0.1mmを制作しましたが空間表現や解像度の高さは素晴らしく、小型のスピーカーから38cmウーファーまで低音再生も必要十分です。
線径と本数は正確で、2本多いだけで低音域にダブつきが感じられました。
ケーブルと適合スピーカー
これまで線径と再生周波数とか、本数と低音域の関係など公にされてこなかったのでケーブルは買って聴くまで分からなかったと思います。
線径と本数が分かれば、ケーブルは購入前に再生音の感じが分かります。
線径が細い方が高音寄りであること、本数が増えるほど低音域が増えていき、本数が多すぎると低音域がダブついていくこと。
実音の帯域にあたる線径0.3mmより細くなると空間表現が良くなるが、十分な低音再生には多くの本数が必要となるため鮮明さは落ち、線径0.3mmより太くなると実音域に入り音像型となり、少ない本数で低音域まで再生されるため鮮明さとスピード感が増しますが空間表現は弱くなります。
太すぎる線径は1本でも低音域がダブつきますし、細い線径はしっかりした低音域を再生するためには多くの本数が必要となります。
下の表は目安としてご参考頂ければと思います。