はじめに

好みの違いはあれ、目指す再生音の実現には線径と再生周波数帯域と導体断面積の関係の理解が不可欠です。

長く下手な文章で申し訳ありませんが、ゆっくりと時間をかけてお読みいただければ幸いです。




機器の個性なども再生音の重要な要素となりますが、最も大きく再生音に影響するのがケーブルだと思っております。

スピーカーやアンプが空間表現から深い低音域までバランスよく再生できる機器であった場合、再生音の9割以上、もしくは再生音そのものをケーブルが決定していると言っていいほど、ケーブルの存在は大きなものです。


大げさに聞こえるかもしれませんが、ケーブルを変えるとどの機器でも同じように再生音が変わるのです。


素線径の太いケーブルではしっかりとした低音域再生までの本数が少なく、本数が少ないため単線のように鮮明で、中低音域に厚みのある再生音ですが高音域や空間表現が少なく、

素線径の細いケーブルでは空間表現や高音域のヌケが良いですが十分な低音域を再生させるために多くの本数が必要となり鮮明さが減衰するというように、どの機器でも同じように変化します。


価格も年代も異なる機器でも、同じケーブルにすると同じ再生周波数特性の音が再生されます。

オーディオの再生音において、素線径と再生周波数帯域と導体断面積の関係は、ケーブルの導体純度や価格を越えた普遍的なものなのです。


電気には詳しくなく耳だけでの判断となりますが、素線径と再生周波数帯域の関係は不思議なことに「リッツ線」に限らず普通の撚り線でも同じように再生音の変化を確認いたしました。


「ゲンさんのケーブル」は段階的線径構成という導体構成上、高音域から低音域までフラットに再生します。

その為、機器の個性や組み合わせるケーブルの特徴がそのまま出ます。

「ゲンさんのケーブル」は、1本だけでもどこに何本ご使用いただいてもバランスが崩れないよう、吟味した導体線径と本数と導体断面積で制作しております。


ご検討中のお客様にはページ下段の「ケーブルの選定」「ケーブルの組み合わせ」までお読み頂き、ご検討いただければ幸いです。

ケーブルと再生音の関係の原理原則と考えております。





ケーブルは短い方が良い!


短すぎる必要はありませんが、ケーブルはあまり長くしない。



多くご注文頂くケーブルの長さは以下の通りです。


スピーカーケーブル

ミディアムタイプ 1.5m~3.0m (最も多いご注文は、2.0m)

ヘビータイプ   2.0m~3.5m (最も多いご注文は、2.0m)


RCA・XLRケーブル 1.0m~2.0m (最も多いご注文は、1.0m)


電源ケーブル 1.0m~2.0m (最も多いご注文は、1.0m)


数年前になりますが、

大型のスピーカーと真空管アンプをご使用のお客様が、建築時から操作性と振動を考慮して7.0mのスピーカーケーブルをご使用になられていらっしゃいました。

ご注文通り制作して納品し気に入って頂けましたが、初めての7.0mのご注文でしたので気になっておりました。


ケーブルは短い方が良いと思っておりましたので、

「ご面倒をお掛け致しますが、お休みの日に配置を変えてでも一度ご試聴をお願いします」と2.5mのケーブルを無料で制作してお送りし、ご試聴頂きました。


その結果「私のシステムからこんなに鮮度の高い音が再生されて驚きました」 と配置を変えられ、ラックやアンプの振動対策をされて2.5mでお使い頂いております。


環境により「どうしても5.0mは必要」な場合もあると思います。

出来る範囲で短くなるよう、工夫頂ければ幸いです。


ただ、ヘビータイプに関しては短かくなるほど低音域の減少が確認されております。

何十センチから低音域の減少がみられるというところまでは確認できておりませんが、ケーブル販売を始めて間もなくの頃でした。


38cmウーファー使用でヘビータイプの2.0mを気に入って頂き、続いて1.5mのヘビータイプをご購入いただいたお客様から「1.5mのケーブルが低音が弱い」とご連絡いただきました。


制作して確認したところ2.0mと比較すると確かに低音域が弱く、ヘビータイプについては1.5mの場合は素線を1本増やしたスーパーヘビータイプをお出ししております。


2.0mと1.5mで素線1本の違いです。

1.6m・1.7m・1.8m・1.9mなどどのくらいの差があるかは確認できておりません。


ウーファー16cm未満のミディアムタイプについては、1.5mでも低音の減少は感じられませんでした。


スピーカーケーブル以外でも同じような傾向があるのではないかと思われます。

多くの方にご使用いただき、高評価を頂いている長さでご注文頂ければ幸いです。



RCA・XLRケーブルは、シェルリード線と全く同じ導体構成ですので、長さによる変化はないのかと思います。


RCA・XLRケーブルなどはシールドの掛け具合でも長さが変わりますので、センチ単位やミリ単位での制作は出来ないとご理解ください。

ご注文より短くならないようにと制作しております。




システムはシンプルな方が良い!


音源であるCDやアナログプレーヤーから、出口であるスピーカーまではシンプルな方が音の鮮度は良くなります。

最短は、再生機器~アンプ~スピーカーの構成です。

その間に機器が増えれば増えるほど、ケーブルの本数も多くなり経由する機器も多くなります。


全ての機器とケーブルが音に影響します。

全てのケーブルが標準的であればいいのですが、様々なケーブルを使用するほど全てのケーブルの影響を受けますので、試聴するケーブルの本来の再生音を聴くことが難しくなります。



スピーカーケーブルの試聴において、

素線径の太いケーブルが上流にある場合本当の意味での空間表現は再生されませんので、空間表現に優れた素線径の細い(本数が多い)ケーブルと空間表現の苦手な素線0.5㎜のLANケーブル(0.5㎜×4本)を比較しますと、本数の少ないLANケーブルの方が鮮明です。


導体断面積が太すぎる電源ケーブルに標準的な低音域の量感を持つスピーカーケーブルを使用すると、低音域が強く再生されます。

結果LANケーブルのように断面積の小さいケーブルが、鮮明さも低音域の量感も良い音となります。


RCAケーブルの同軸ケーブル(0.5mm以上の単線)などが良いと感じるのも、初めから本当の意味での空間表現が再生されていない事が原因となります。


再生音にはすべてのケーブルが関係しますので澄んだの空間表現の再生には、電源ケーブルであれば少なくとも線径0.26㎜以下、リード線・ラインケーブルは0.12㎜以下・スピーカーケーブルは0.26㎜以下が必要となります。


「ゲンさんのケーブル」は段階的線径構成により少ない本数で空間表現の高音域から深くダブ付きのない低音域まで少ない本数で再生されるため、透明感のある澄んだ空間表現と鮮明さとワイドレンジにより、目の前で演奏しているようなリアルな再生音が実現できるのです。




このページを下段まで、またご購入希望のケーブルのページをお読みいただき、

皆様が目指す再生音が実現いたしますことを願っております。



全てのケーブルで音は変わります。

ケーブルによって再生音が変わるということは、現在では多くの方が経験されたことと思います。

では、ケーブルの何が原因でどのように音が変わるのか


私のケーブル制作は、導体線径が細い方が高音寄りで低音域が少なく、線径が太い方が低音寄りで高音域が少ないと感じたところから始まりました。


スピーカーケーブルとして、線径0.2mm・0.3mm・0.4mm・・・と0.1mm単位で1.0mmまでの単線を比較試聴したら、線径が太くなるに従い再生周波数帯域のピークが高音域から低音域へ移行し、そして線径0.7mmを過ぎるとスピーカーの最低音域を超えて低音域がダブついていきました。

導体線径の細い方が高音寄りで太い方が低音寄りなのは単線でも撚り線ケーブルの素線径でも同じということも分かりました。


さらに、細い方が高音寄りで太い方が低音寄りという導体線径と再生周波数帯域の関係は、電源ケーブルでも、RCAケーブルでも、シェルリード線でも同じでした。


私は電気の専門知識はありませんので、音が変わる要因として、表皮効果・抵抗値・インダクタンス・インピーダンス・静電容量・近接効果・ケーブルの振動などあることを、ケーブル制作を始めてから読みましたが、音が変わる最大の要因は導体線径と再生周波数帯域の関係にあります。





オーディオケーブルで最も重要なのは導体の線径。



導体線径と再生周波数帯域の関係は正確で厳密です。


スピーカーケーブルとして、線径0.2mmの単線導体は高音域が鋭く繊細に再生され空間表現や解像度に優れますが低音域は少なく、線径0.6mmは音像厚く豊かな低音域が再生されますが高音域は少なく空間表現や解像度感は落ちます。


導体線径と再生周波数帯域の関係はあきらかで、銅の純度が高くなっても線径0.6mmより低音域が再生される線径0.2mmはなく、導体線径と再生周波数帯域の関係は純度以前の根本的な事なのです。


スピーカーケーブルの場合は余裕をもって線径の範囲を広く見ても、線径0.2mm~0.7mmで超高音域から超低音域まで再生可能であることが確認できました。


帯域幅があるため、どの線径1本でも普通に音楽は再生されますが、細いほど低音域は少なく、太くなるほど高音域は少なくなります。

特定の周波数帯域を鮮明に再生するのには適した線径があるということです。



昔からある一般的な電源ケーブルと赤黒のスピーカーケーブル、家電用として使われている普通の電源ケーブルの導体構成は線径0.26mm×37本=1,963m㎡です。

これらのケーブルで十分な低音域まで再生可能です。


線径0.26mmはシンバルの音が消えて行く空間表現に近い帯域に対応していす。

線径0.3mmがシンバルの「シャーンッ!」の帯域にあたります。


基準となるRCAケーブル、フォノケーブル、シェルリード線は線径0.12mm×14本=0.158m㎡です。

この線径0.12mm×14本=0.158m㎡ は、大手メーカーのカートリッジ付属のリード線と同じです。


RCAケーブル、フォノケーブル、シェルリード線において、線径0.12mmはやはりシンバルより高帯域に対応しています。

線径0.12mm×14本=0.158m㎡ で十分に低音域まで再生可能で、1本多いと低音域にダブつきが発生します。



単線ケーブル

単線ケーブルの再生音は非常に鮮明でスピード感に優れていますが、レンジは狭いのです。

より線から単線に変えるとキレの良さや鮮明さが向上し「音が良くなった!」と驚きます。

しかしレンジが狭い為、聴いているうちに「低音が少ない」(細い線径)とか「高音が少ない」(太い線径)と気が付きます。

それでもより線に戻れないと思うほどキレの良さと鮮明さは魅力です。



より線ケーブル

より線ケーブルでは「リッツ線」に限らず、素線径の再生周波数特性を備えたまま、本数が増えるにしたがい音像と低音域が増していきます。

線径が太くなるのと似ていますが、素線径の再生周波数帯域から低音域方向へ伸びていきますので、より高帯域に対応した素線径が細いより線の方が、解像度や空間表現に優れ、音質のクセが少なくバランスが良い再生音となります。


素線径の細いより線は解像度が高く音に広がりがありますが、スピーカーが大きくなるほど豊かな低音域を再生するためには多くの本数が必要であり、本数が増えるほど鮮明さは減衰していきます。


素線径の太いより線は少ない本数で音像厚く低音域もよく再生されます。本数も少なく非常に鮮明

で押しが強く重心の低い再生音となりますが、空間表現や解像度や繊細さは少なくなります。


素線径の細いより線に線径の太い単線を加えると高音域も低音域も再生されますが、線径と再生周

波数帯域の関係が厳密であるため、バランスが悪くなります。



ワイドレンジで低音域から高音域までまんべんなく再生され、
さらに全ての帯域が鮮明でキレが良くリアルに再生できるケーブルは、

 再生機器のレンジが広くなるほど、
より線でも単線でも複合線でもむずかしいのです。





LANケーブル

スピーカーケーブルとして音が良いと話題になったLANケーブル線径0.5mm×4本=0.785m㎡で、線径0.5mmはちょうどバランスの良い中音域にあたります。

1本では音の線はやや細いですが、LANケーブルでは本数が4本に増えた分音像厚く低音域が増し、少ない本数のため非常に鮮明で、より線と比較するとスピード感の高さに驚かれると思います。

しかし、中音域にあたる線径のため素線径の細いより線と比較すると高音域の繊細さや音の広がりは少なくなります。被覆の材質による、滲み(響き)もあります。

(被覆と言えば、ケーブル制作を始めたばかりのころは天然素材が良いという事で、保護の為コットンコードを使用していましたが、ある時気になり被覆なしと比較しました。スピーカーケーブルのように長くなるとはっきりと再生音ににじみが乗りました。RCAケーブルなどは短くなるため分かりにくいだけでにじみは乗っていると思います。)


空間表現や解像度で言えば、線径0.5mm×4本=0.785m㎡のLANケーブルより線径0.3mm×27本=1.907m㎡くらいの方が良くなります。

(素線径が細くなった場合、断面積が同程度だと低音域は少なくなりますので、断面積は太くする必要があります)


被覆がビニールでなければ昔ながらの赤黒のスピーカーケーブルの、線径0.26mm×37本=1.963m㎡がさらに良くなります。

未制作ですが、線径0.23mm×49本=2.034m㎡あたりがさらに空間表現も解像度も上がり良くなると思います。


線径0.3mmのピークは丁度シンバルのシャーン!という帯域で、線径0.26mmのピークはその音が消えて行く空間表現に近いさらに高い帯域になります。

より線の特性上スピーカーケーブルの場合、素線径は最低でも0.26mm以下が好ましいのです。



可聴域より高帯域に対応した細い線径の導体を、低音域がしっかり再生される本数まで増やした〝より線〟が最もクセがなくバランスが良い再生音であると言えますが、問題は本数が増えるほど鮮明さが減衰するところにあります。



太すぎるケーブル

以前は私も電流が良く流れる太いケーブルの方が良いと思っていましたが、スピーカーの大きさ(主に低音再生能力)に対して太すぎると低音域がダブつき音が悪くなります。

線径と再生周波数帯域の関係が分かった現在では、世の中には素線径も断面積も含めて太すぎるケーブルが多く、多くの方が太すぎるケーブルどうしを組み合わせて音楽を聴いていると推測されます。

すべてのケーブルにおいて太すぎるケーブルを、標準的な太さの素線径の細いケーブルに変えるだけで空間表現が劇的に向上する可能性があります。


「音の厚み」という表現がありますが、これは太すぎるケーブルの特徴と言えます。

太すぎるケーブルでは「各楽器が出す音の厚み」ではなく全ての楽器の背面を覆うように低音が響いており、「音の厚み」と感じます。

その背面を覆う低音の響きにより解像度や各楽器の分離や空間の透明感が損なわれており、音がまとまって出てくるために良い表現をすれば「ガツンと出てくる」「厚みのある音」になります。

生演奏の場合は、各楽器が持つ音の厚み以外に音楽全体の音に「厚み」がかかることはあり得ません。

適切な導体断面積のケーブルによりその余分な響きがなくなることで、生演奏の澄んだ空間が出現します。


ケーブルは電源ケーブル・RCAケーブル・スピーカーケーブル・フォノケーブル・リード線などすべてのケーブルで音が変わりますので、第一にはクセの少ない素線径が細めで標準的な太さのより線ケーブルを使用することが基本となります。


そして基準となるケーブルを知り、大きくかけ離れないようにしなければなりません。
システム内のケーブルがどれか1本でも標準からかけ離れていると収拾がつかなくなります。


そんな状態で運良く再生音がまとまったとしても、どれか1本を変えただけでまた収拾が付かなくなるのです。


太さが変わるのはスピーカーの口径や再生能力により変わるスピーカーケーブルだけで、ほかのケーブルはセパレートアンプでも中華デジアンでもアナログプレーヤーでもデスクトップPCの電源ケーブルでも標準的な線径構成からあまりかけ離れてはいけません。


全てのケーブルが標準的にバランスのとれたものであれば、フォノケーブルでもRCAケーブルでもスピーカーケーブルでも電源ケーブルでも、解像度高く聴きたい場合は少し線径を細くし本数を増やし、音像厚く聴きたい場合は少し線径を太くして本数を減らし、低音を増やしたいときは本数を増やし・・・とケーブルの選択により思いのままの再生音にすることができるのです。


ケーブルを変えた時、音質が変わらないと感じるときは素線径の差と断面積の差がが少なく、音質が大きく変わるときは素線径の差と断面積の差が大きいケーブルであると言えます。


ケーブルの選定


ケーブルの選定には再生音の違いが分かるスピーカーケーブルが必要であり、全てのケーブルの試聴ではスピーカーケーブルが最も重要です。


電源ケーブルやRCAケーブルが極太な単線などではなく標準的なケーブルであれば、素線径0.26mm以下のスピーカーケーブルに交換するだけで高音域が伸び空間表現が良くなります。


スピーカーケーブルに素線径が0.3mm以上のケーブルを使用されている場合は、電源ケーブルやRCAケーブルを変えてもシンバルより高帯域の空間表現などに違いを感じられない場合もありますので、最低でも素線径0.26mm以下、可能であれば0.23mm以下のスピーカーケーブルに変えてから、RCAケーブル・フォノケーブル・リード線・電源ケーブルの選定を行ってください。


スピーカーケーブルの素線径が太い場合(LANケーブルなど)、RCAケーブル・リード線・フォノケーブル・電源ケーブルに素線径の細い空間表現の良いケーブルと素線径の太い音像型のケーブルを比較試聴しても、空間表現に差は感じられない場合があります。

その場合には、素線径が太く本数が少ないケーブルの方が鮮明でキレが良く音像が厚くパンチがあり”良い音”と感じる事になります。


そうなるとそれは、他のケーブルにも当てはめられていき、空間表現(澄んだ空気)は失われていきます

しかし空間表現もダブつきと同様に、ダブついていない空間表現の優れたケーブルと比較しないと、空間表現が失われていることに気が付きません。


線径と再生周波数帯域が示すラインケーブルやリード線の基準となる素線径は線径0.12mmです。

線径0.23mmより太くなると比較視聴しないと気が付かないだけで、低音域にダブつきが発生しています。


スピーカーケーブルを素線径の細いケーブルに交換しても空間表現や鈴の音の消えゆく繊細さが表現されない場合には、RCAケーブルの素線径が太すぎないか確認してください。RCAケーブルの素線径は0.12mm以下が好ましいです。

スピーカーケーブルやRCAケーブルが素線径の細いケーブルを使用していても大きな会場のライブで空間表現や拍手の音に繊細さや弦楽器の倍音が感じられない場合は、電源ケーブルの素線径を線径0.26mm以下、できれば素線径0.2mm以下のケーブルに交換してください。


素線径0.3mm以上のスピーカーケーブルはシンバルの帯域から本数が増えるとともに低音域方向に伸び、素線径が太いため少ない本数で高音域から低音域まで鮮明に再生され、音像の厚みもあり非常に評価も高く人気もありますが、空間表現は得意ではありません。


一方素線径の細いより線は、空間表現や解像度の高さから豊かな低音域まで、緻密でなめらかな全帯域再生が魅力となりますが、本数が多くなるため鮮明さは落ちます。


「ゲンさんのスピーカーケーブル・ラインケーブル・リード線」は段階的線径構成により非常にワイドレンジで、導体本数は10本以下のため非常に鮮明です。(電源ケーブルは段階的構成と撚り線のハイブリッドで20本以下です)

目の前で演奏しているような臨場感は、空間表現の最高音域から深く沈み込む最低音域までの全ての帯域がバランスよく、鮮明さとスピードを備えたダブつきの無いケーブルにより、よりリアルに再生されるのです。


導体線径と再生周波数帯域の関係、本数と導体断面積の関係は音響用ケーブルの原則であり、数百円のケーブルでも百万円越えのケーブルでも逃れることはできないのです。


ケーブルの組み合わせ


基準となるケーブルは、昔からある一般的な電源ケーブルと赤黒のスピーカーケーブル、家電用として使われている普通の電源ケーブルで導体構成は線径0.26mm×37本=1,963m㎡です。

スピーカーケーブルの場合、38cmなど大型のユニットでも十分な低音域が再生されます。

(小型のスピーカーには太すぎ、低音域がダブつきます)


RCAケーブル、フォノケーブル、シェルリード線は線径0.12mm×14本=0.158m㎡が基準です。

十分に低音域が再生され、これより太すぎると低音域にダブつきが発生します。

線径0.12mmもやはりシンバルより高帯域に対応しています。


スピーカーケーブルでは素線径0.3mmはシンバルの「シャーン!」という実音域になりますので”より線”の特性上、素線径が0.3mm以上太くなると空間表現は悪くなります。

しかし、線径0.3mmのより線ケーブルはシンバルの帯域から少ない本数で低音域に到達するため、実音域が鮮明で非常に良い音に感じます。


ケーブルの素線径が同じ場合、本数が基準より多くなるほど低音域が増すと同時にダブつき再生音の純度は悪くなります。

標準的なケーブルは、複数個所に使用してもダブ付きませんが、太すぎるケーブルは本数が増えるほど低音域が肥大し再生音を鈍らせます。


太さの加減にもよりますが、システムの中に少し太いケーブルが1本あるくらいは低音域が増しながらも他のケーブルに吸収してもらうようなかたちでバランスはそれほど悪くなりませんが、2本以上になると再生音がダブついてきます。


太めのケーブルが何本もあるのにダブついていないと感じる場合もありますが、標準的な太さに変えると低音域も充分に出ていながら空間が広がり全ての楽器がスッキリと聞こえてダブついていたことに気が付きます。


電源ケーブルが多少太すぎてもRCAケーブルやスピーカーケーブルのどちらか、または両方が細いことでバランスが取れます。(細すぎるRCAケーブルはなかなかないと思いますので、普通はスピーカーケーブルが細くなります)


電源ケーブルが太い場合は低音域が強くなって行き、スピーカーケーブルが太すぎる場合は低音域がダブつきます。

RCAケーブルは太さ(断面積)に対する対応範囲は広いようですが、線径と再生周波数は的確に反応します。


どこかのケーブルが太い場合はほかのケーブルを細くする必要がありますし、どこかのケーブルが細い場合はほかのケーブルを太くする必要があるのです。


そうしないと低音域のバランスが取れません。


標準的なスピーカーケーブルと標準的なRCAケーブルを使用していて、少し太い電源ケーブルに変えると低音域が増して良くなったように感じますが、極太の電源ケーブルに変えると低音域が強烈に増強します。

そうすると断面積の細いスピーカーケーブル(LANケーブルなど)に変えた方が、低音域のバランスが取れて音が良くなります。


「太い電源ケーブルは素線径が〇〇mmで本数が〇〇本で導体断面積が〇〇m㎡、RCAケーブルは標準的だから、スピーカーケーブルは線径を〇〇mmで本数を〇〇本にして導体断面積が〇〇m㎡はこのくらいに・・・」なんてやっていられません。

つまり、聴いてみるまで分からないのです。


基準となるケーブルの重要性がココにあるのです。




「ゲンさんのケーブル」はそれぞれ導体構成は違っても低音域の量感は標準帯となっておりますので、どのケーブルだけでもどなたにもお使いいただけます。


一般的には太すぎると思われるケーブルが多い為、細めの「ゲンさんのケーブル」を使用して低音域が強すぎると感じることは少ないと思います。

ご使用になられていたケーブルが素線径が太く高音域がしっかり再生されていなかった場合は、高音域のヌケが良くなります。


逆に低音域が強すぎると感じる場合は、システム内に太い単線ケーブルや素線径が細くても本数が多く断面積の大きなケーブルなど標準から大きくかけ離れたケーブルを使用している為です。


線径と再生周波数帯域の関係と本数(導体断面積)を正確に把握できていますので最小限の導体断面積で、ワイドレンジはもとより空間表現や解像度、バランスの良さや鮮明さにおいて、純度の高い再生音となっております。